知られざるガラス瓶の製造工程について詳しくご紹介!

知られざるガラス瓶の製造工程について詳しくご紹介!

調味料の入れ物としてや花瓶などでも使用することのあるガラス瓶ですが、どのように作られているのか意識したことはほとんどないのではないでしょうか。素材を瓶の形に作り上げるだけではあるものの、実際にはさまざまな工程を踏んで出来上がっているのです。そこで今回はガラス瓶の製造工程についてご紹介します。 

素材の調合

ガラス瓶を製造するにあたり、まずはガラス瓶の材料となるさまざまな原材料を調合するところから始まります。この後の工程を経ての完成形のクオリティは、すべて原材料の調合次第で決まります。ガラス瓶の強度や質感などを決定づける部分となるのです。

主な原材料は、珪砂(けいしゃ)とソーダ灰、石灰石やカレットです。それに加えて清澄剤や着色料が副原料として混ぜられます。

珪砂というのは花崗岩の風化によってできる砂のことで、珪石を粉砕してできる人工珪砂も存在します。陶磁器の原料や研磨剤として使われることもありますが、メインとなるのはガラスの材料です。

ソーダ灰というのは炭酸ナトリウムのことで、石灰石は炭酸カルシウムによって構成されている岩石です。

カレットというのはあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、ガラス製品を砕いたガラスくずのことです。ガラスの原材料としてガラスを使うのは不思議な感じがしますが、ガラス瓶を作るのに欠かせない素材です。

調合は非常にシビアなもので、微妙な分量と割合によって成り立っています。実際には機械による自動での計量と混合となりますので、すべての品質が保たれるような仕組みになっています。

溶解

調合された原材料たちは高温で熱せられます。ただし、調合した原材料をまとめて一気に溶解するわけではなく、一定の量でこまめに分割して溶解炉へと投入されるのです。溶解炉は溶解ガマと呼ばれることもあります。炉の中は1,600度前後の高温となっていますので、投入された原材料たちはまたたく間に溶けてしまうのです。

製造工場によって若干の違いがあるかもしれませんが、ガス燃料をメインとしており、場合によってはガスと酸素の混合燃焼によって加熱しているケースもあります。高温で熱せられた原材料は溶けることでガラスへと変貌を遂げます。この後の工程で形を整えますが、ガラスとしてはこの工程の時点で完成です。溶鉱炉は非常に大きなものであることが多く、1日平均で数十トンものガラスを製造しているのです。

溶鉱炉で生まれたガラスは、瓶の大きさごとにカットされた状態で製ビン機へと送られます。この時のガラスのことを「ゴブ」と呼びます。ゴブは溶鉱炉で溶けた状態のため、その温度は1,200度近い高温です。

成形・徐冷

ゴブを製品の状態へと整える工程です。粗型(あらがた)と仕上型(しあげがた)という二段階の工程を踏みます。

粗型

ただ瓶の大きさでカットされただけのゴブを製品へと作り替えるので、大まかに完成形のガラス瓶の形に整える工程となります。空気を送り込むことによって整える「ブロー方式」、プレスすることで整える「プレス方式」のいずれかの方法で行われるのです。

細口瓶であればブロー式で、広口瓶であればブロー式とプレス方式を組み合わせて行うなど、ガラス瓶によっても若干異なります。

仕上型

粗型によって大まかにガラス瓶の状態へと変化したゴブに最終的な仕上げを行うための工程です。ここまでの工程を実際の製造ラインでは非常に高速で行います。たとえばドリンク用の瓶であれば1分間に約400本の成形が可能です。

製ビン機で成形された直後の瓶は非常に高温となりますので、それを急激に冷却してしまうと瓶が割れてしまいます。それを防ぐために、「徐冷炉」にてゆっくりと割れないようなスピードで瓶の温度を徐々に下げていく必要があります。

検査〜出荷

徐冷までが済んだ瓶はもう完成している状態です。後は出荷するだけになりますが、その際に最難関ともいうべき工程である検査を受けます。ガラス瓶は飲料や食品などを保存するための容器として用いられることが多いので、そうした面も考慮した上で非常に厳しい検査基準が設けられています。それをクリアして初めて製品として認められるというわけなのです。

ゆっくり徐冷したにも関わらず、クラックと呼ばれる割れの原因となるヒビが発生してしまっていたり、なにかの拍子で一部が欠けていたりすることも少なくありません。また外見的な問題となる異物混入などの可能性もありますので、検査機による機械的なチェックのみならず、人間の目視でもすべてのガラス瓶を確認することで品質を保ち続けています。

厳しい検査基準を無事クリアできたものは、ようやく出荷の許可がおりるのです。そのまますぐに各出荷先へと送られるケースもあれば、出荷先との取引の関係上、一定期間倉庫内で保管され、出荷の時を待つケースもあります。

まとめ

製造工場等によって若干の違いはあるかもしれませんが、ほとんどの場合、今回ご紹介した流れでガラス瓶画は製造されています。素材や成形次第でさまざまな種類のガラス瓶を作ることができるのです。

晃和硝子株式会社では法人と事業主向けにガラス瓶を直売しております。サンプルの提供を無料で行っておりますので、ガラス瓶購入をご検討の方は、お気軽にご相談ください。